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Fさんのタイでのお見合い結婚

     大阪の見合い業者は、電話帳で見つけました。

     インターネットでも国際結婚紹介業者の情報が沢山ありますが、タイ人とのものはほとんどありません。

     その大阪の業者は、中国の上海で10数年(もしかしたら20数年)の経験があったようです。中国の経済状態が良くなってきて、見合い女性でなかなか条件の良い人(若くて美人)が見つけ難くなってきて、もう一つのお見合い先として、リスク分散として、タイを開拓しようとしたところでした。結果的にその業者では、私がタイでの結婚第1号となったのです(そのことは、私が結婚した後で知りました)。

     業者に電話して、タイ人との見合い希望であることを伝えました。ただ、子供を抱えているので、すぐに大阪へ行く訳にはいかないので、また行けそうなときに連絡すると伝えました。2、3日すると業者の方から連絡があり「名古屋に別の用事があるので、時間が合えば、国際見合結婚などについて説明する」ということで、業者に名古屋で説明を受けました。

     私の履歴・仕事・家庭の状況も説明しました。業者は凄く手早く(商売ですから当たり前ですね)、タイで見合い可能(私と結婚も考えても良い)な女性の写真や履歴も用意していました(最終的にその時に見た3人ぐらいの女性の1人と結婚することになりました)。仕組みとしては、見合い可能である女性が何人かいて、訪タイして見合いできる目途がたった段階で、手数料を支払います(200万円でした。業者2人と私との合計3人の2回分往復航空券。タイでの滞在ホテル代。タイでのデート費用。挙式費用。結納金を含んでいるので、暴利という訳ではないと思いました)。

     1回目の訪タイのときに、見合いと婚約をします。婚姻届けを日本とタイで終えた後、2回目の訪タイです。この時に結婚式をします。私は業者の説明を受けて、かなり乗り気になったのですけども、暫く考えますと言いました。業者から説明を受けた後、一月ぐらいで業者への依頼をしたように思います。お金はそれから後、訪タイの直前に支払うというシステムでした。行く前に考えたことは、「今後どうなるか分からないけども、せっかく再婚するんだから、また子供つくることは前向きに考えよう。見合い相手は、初婚の女性や再婚でも、子供がもう要らないという人は少なそうだ」ということでした。そういう前提で、見合いに臨もうと思いました。あと「私の子供達に親切に接してくれそうな人を選ぼう」というのも当たり前に考えました。

初めての訪タイ・見合い

     平成12年の夏に、最初の訪タイをしました。私と真ん中の子供(当時4歳・女)も連れて行きました。最初、業者は子供を2人連れて行っても良いと言っていました。パスポートは、子供2人分をつくりました。後で、1人にしてくれないかと言われて、上の子には諦めてもらって(玩具を買ってあげるという条件で)真ん中の子だけを連れて行くことになりました。

     見合いの時に、1人だけでも子供を連れて行って妻になる人と会っていたことは、良かったと思っています。子供を1人にしろ知っていることは、妻が日本にくるときに妻にとっては気持ちが少し楽になったのではないかと今では思っています。子供達にとっても、1人だけにしろ、タイで可愛いがってもらったことを他の兄弟も聞いて、新しいママが来るのを楽しみにしていました。

     訪タイ最初の日は、現地へ着いて寝るだけです。初めて飛行機からベトナム、カンボジア、タイと見ました。「旧日本軍は、当時、よくこんな遠くまで戦争をやりに来たもんだ。兵隊さんは大変だったろう」と思いました。飛行機から見たタイの国土は、大変よく耕地整理されていて、水路も整備されて、農業という面からは、その力を見せつけられた気がしました。アジアで日本よりも不利な地勢(陸続き)にありながら、独立を保ったタイ国力の底力を見たように感じました。

     訪タイ2日目、見合いを早朝から深夜までで10人としました。訪タイする前は、見合い相手は5人ぐらいと聞いていたので、私が履歴書と写真を見て知っている3人と、あと2人ぐらいだろうと思っていました。日本側の業者では5人と考えていたようですが、タイ側の業者の都合(はっきりとは喋りませんでしたが、タイで日本人との見合い登録している人が沢山いて、自分の順番がなかなか回ってこないという苦情が出ているということの対策があったようでした)で多くなったようです。

     今でも大体10人のお顔や年齢、簡単な履歴はほとんど覚えています。35歳が1人。30前後の人が2人。28歳ぐらいの人が2人。25歳前後の人が5人でした。3人が子供を産んだ経験のある人でした。

     日本の業者の言うには、「お金を親元へ送金するというのが条件の人は、なるべく止めた方が良い」ということでした。「最初は少額でも、ずっと少額とは限らない」、「金銭目的でなくて結婚を目的の人と結婚するのがベスト」といったこともアドバイスしてくれました。親へ送金したいという人で、人間として素晴らしいと感じた人もいました。お顔は美人とは反対でしたけども、看護婦さんで、しっかりとした受け答えで、人物として素晴らしい人だと感じた人でした。不謹慎な例えかもしれませんけども、お見合いを面接試験に例えれば100点でした。子供の世話もしっかりとやってくれそうだと強く感じられました。

     日本側の業者は2人行ったのですが、1人は「若い人よりも年輩の人の方が良い」と強く勧めました。タイ側の業者(1人)は、意見はほとんど出しませんでした。

     お見合い当日の夜、食事に招く人を決めるのに、誰が良いのか(つまりは結婚第1候補ですね)を短時間で考ました。私の心の中で候補者は3人に絞りました。

     1人は今の妻(当時23歳でした。「タイ人男性は結婚相手としては信用できないので、日本人との結婚を希望している。日本の会社で働いた経験があり、日本人は結婚相手として信用できると思っている。結婚後、タイへの送金の必要なし。子供は好き。ボランティアで保育園に行ったりしている」というようなことを妻から聞きました)でした。

     妻に対しては、日本で最初に業者が見せてくれた3人ぐらいのうちの1人でもあり、親近感を感じていました。若いというのと、おとなしすぎるかもという懸念は感じましたが、年齢よりは落ち着いていて、お金が欲しいということでなくて、結婚をしたいんだという意欲を感じました。家庭的な女性だとも思えました。約束などをきちんと履行するであろう人だろうとも思いました。信頼できるであろう人と思いました。

     候補者の残りの2人も良い人であったので、正直言って少し迷いもありましたが、妻が良いだろうと判断しました。私が見合いした人については、妻はほとんど顔を知っていて(見合い会場の控え室でお喋りとしていたそうです)、その後、妻と親しくなった人もいるので、後の2人の候補者は秘密です(特に妻に対して秘密にしておく必要があるからです)。

     候補者については、日本側の業者とかなりのやりとりがあった後、私の考えた通り妻に決まりました。業者のうちの1人が、もうちょっと年齢が上の人が良いと強く意見を表明していました。私も一般論としては同意できるものの、最後は、人それぞれの個性の問題なので、私にとっては妻が良いだろうと判断した訳です。

     蛇足ですが、妻は容姿が良いという訳ではありません。その後結婚して、当たり前ですが愛情を感じています。頼んだことをきっちりとやってくれるのは、平均的な日本人よりもしっかりしていると思います。いいかげんなところのある私には丁度良いしっかり者だと思います。世の中には絶対ということはあり得ませんから、破局の可能性が全く無いとは言えませんが、現時点では幸せを感じながら生活をしています。

つづく



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