日・タイ婚姻法 日本人とタイ人の婚姻・入国手続、子に関する諸手続

第3章 タイ人妻と子の日本入国後の手続

タイ人妻(夫)に関する諸手続

    外国人登録

       日本人夫(妻)の運転免許証などの身分証明書持参(念のため)で、タイ人妻(夫)を同行して市役所市民課外国人登録係へ行ってください。来日後90日以内ですが、なるべくお早めにおいでください。なお、外登証ができるまでは、パスポートの所持義務があります。外登証ができるまで約3週間かかります。

      • 写真3.5cm×4.5cm 2枚

      • パスポート

    健康保険の加入

      国民健康保険の場合

         日本人夫(妻)が国民健康保険でしたら、市役所健康保険課へおいでください。パスポートを持参し、1年以上の在留期間があることを示してください。保険証の持参は必須です。現在の保険証に追記してもらうことになるからです。

      社会保険の場合

         日本人夫(妻)が社会保険でしたら、会社等の人事部へ伝えて手続をしてください。通常、戸籍謄本の提出を求められます。

      里帰り中の医療費 New

         海外の医療機関で治療を受けた場合、帰国後「国内で保険医療を受けた場合に準じた医療費」が給付される制度があります。国民健康保険、社会保険の種類は問いません。健康保険(社会保険)に記載されている人が対象です。海外旅行傷害保険では既往症や歯科治療は基本的に保証外ですが、この制度では給付対象となり、海外旅行傷害保険から保険金が給付されても減額されません。条件は以下の通りです。

        • 治療費は現地で一旦全額自分で治める必要があります。
        • 請求期限は、治療費を支払った日の翌日から起算して2年間です。
        • 日本国内で認められている保険診療の範囲内で支払った金額から自己負担額相当分を差し引いた分が還付金額となります。日本国内で保険診療と認められていないもの(美容整形、自然分娩、差額ベッド代、保険外の材料を使った歯科治療)は対象となりません。なお、日本国内の標準保険診療費を超える分は自己負担となります。
        • 医療機関から診療内容明細書と領収明細書を発行してもらってください(月がまたがる場合は、1ヵ月分ごとに証明を受けてください)。日本語以外の言語で書かれている場合には、日本語訳が必要です(認証不要、翻訳費用は申請者負担)。なお、社会保険の場合、各社会保険で定型フォームがある場合がありますので、事前に会社の人事部にお問い合わせください。

    国民年金加入

       市役所の年金保険課へ行きます。日本人夫(妻)が社会保険の場合にはタイ人妻(夫)は3号、日本人夫(妻)が国民年金の場合にはタイ人妻(夫)は1号の被保険者になります。

       国民年金は「日本に在住する20歳から60歳までの人が被保険者になる」ので、国籍条項はなく、外国人であっても加入すべきことになっています(ただし、外国人は日本に住所を有しなくなると、国民年金には加入できなくなります)。
       そして、25年間払込をすれば受給資格が生まれます。帰国して、日本大使館から受給することも可能です。

       更に、国民年金を納めた期間または厚生年金の加入期間が6ヶ月以上あり、年金を受けることのできない外国人は、帰国後2年以内に請求を行えば、脱退一時金が支給されます。

    入管関係

       成田空港など上陸港で在留資格認定証明書を提出し、パスポートに上陸許可の証印を押してもらうのがまさに入管の手続です。それ以外はとりあえず、入管の手続はありません。

       なお、空港で再入国カードをもらっておくと便利です。次にタイへ戻るときに、このカードに記入することになります(再入国許可と在留期間更新許可に関しては、別項を設けます)。

    タイ人妻の改姓

       2003年6月5日のタイの夫婦別姓認容判決によるタイ側役所の運用変更に基づき夫婦別姓を選択された方は、この項目は該当しません。

      タイへの婚姻届と改姓

         日本式の婚姻をしても、タイ式の婚姻をしても、タイ側へ婚姻届をしますと、タイ人妻の姓(『』とします)は日本人夫の姓(『』とします)に変更され、住居登録証や身分証明書、パスポートなどに改姓の手続が取られます。つまり、この段階でタイの記録上、タイ人妻の姓は『』です。

      日本の戸籍役場への改姓届

         ところが、日本の役場では、タイ人妻が改姓した事実を知りませんから、婚姻手続だけでは、日本の戸籍上は『』のままです。日本の戸籍上の妻の姓を『』にするためには、別途、戸籍役場に「妻の氏名変更届」を提出しなければなりません。この際、カタカナで表記するか漢字で表記するか選択することができます。この届出のための添付書類は、

        • 改姓事実が記載されたパスポート

        • それがない場合は、住居登録証謄本を翻訳の上、外務省または大使館の認証を受けたもの等になるものと思われます。

        なお、この手続には、時間の制約はありません。

      子の出生届との関係

         子の出生届を提出する前に『日本の戸籍役場への改姓届』の手続をしていない場合には、出生届の母の氏名欄は旧姓の『』で書かなければなりません(タイでの書類はすべて『』になっているのに)。
         その理由は、戸籍上の氏名でないと、出生届の母が、日本人夫の戸籍に載っている妻かどうか判然としない、ということです。
         もっとも、出生届の母の氏名を『』で届け出ても、戸籍役場のほうで、『』とは旧姓(戸籍に記載されている)『』と同一人であると判断し、「その他」欄に「母の氏名『』 正当」と記載し補正してくれる場合もあります。

      届出の必要性

         もし届出をしなかった場合、以下のような不都合を生じる可能性があります。

        1. 日本在留中に所持している書類の中で、パスポートと外国人登録証は『』、配偶者の戸籍上は『』であって、不一致です。
        2.  国民健康保険は、一般に外国人登録と同時に行われるので『』となりますが、社会保険の場合には、戸籍謄本によるので『』となるかもしれません。

        3. 本人が所持している身元証明書(住居登録証、IDカード、パスポート、外国人登録証)には、『』から『』への変更の記載がなく、『』の氏名しか記載されていない場合も少なくありません。
        4.  一方、戸籍は『』ですので、例えば、日本人夫死亡により相続人となったときに、どのようにして、「戸籍上の『』が、『』と同一人である」と証明するのか、疑問に感じます。
           婚姻証明書を所持していれば、そこに改姓事実が記載されていなくても、タイ国法上当然に「『』とは『』である」わけですが、その旨を日本側で信用してもらえるのかどうか、あるいは婚姻証明書を紛失した場合にどうなるのか、疑問が残ります。

タイ生まれの子(日本国籍取得済)の手続

    転入届

       印鑑を持参の上、市役所市民課へ行ってください。念のために父(サーミー)の身分証明書もご持参ください。

    健康保険

       上記タイ人妻の手続に準じます。

タイ生まれの子の乳幼児医療福祉関係について

     様々な補助や給付があります。住民登録しますと、それぞれ各部署に連絡が行くかと思いますが、こちらから積極的に相談しに行く態度を取りましょう。

    乳幼児助成金

       市区役所の保険年金課で扱う例が多いようです。東京都では、月々5,000円の助成金が就学まで貰えます。年3回、4月6月10月と4ヶ月毎に指定口座に振り込まれます。自治体によって多少の違いがあるようです。

       もっとも、これには所得制限があります。ある程度以上の所得があると支給されません。

    医療補助

       これも、市区役所の保険年金課で扱う例が多いようです。

      Aさんの例

         東京都の場合は3歳まで、自治体によっては就学年齢まで、保険医療費のうち病院窓口で支払う医療費を補助してくれます。したがって、乳幼児保険証と健康保険証を提示すれば子供は医療費無料となります。
         乳幼児保険証の更新は年1回で更新案内が保護者宛てに届き、更新手続きをすれば10月ごろ新しい保険証が送られてきます。

      Bさんの例

         私の自治体では、いったん病院と薬局で自己負担分3割を支払って、翌月以降申請をして、払い戻してもらうシステムです。去年3歳から5歳に延長され、結局、満5歳まで無料になります。
         「受給資格証」なるものを交付されるのですが、この払戻し申請のときに、受給者番号を見る程度です。

    母子手帳

       まず、タイでの母子手帳があるはずです。病院等が発行する任意のものかと思いますが、今までの検診歴や予防注射の記録が書かれています。これを是非お忘れなく、お持ちください。私のところでは、これが、出産前と出産後で2冊あります。

       来日後、日本の自治体からも母子手帳がもらえます。自治体によって若干扱いが違いますが、地域の保健所や市役所に配属されている保健婦さんに来日後連絡し、お友達となっておくと何かと便利です。タイの母子手帳を持って保健婦さんを訪ね、母子手帳の交付方法、日本での生活など相談し、タイの母子手帳から予防注射歴などを、日本の母子手帳に移記してもらうとベターです。

    検診

       検診の時期も自治体によって若干の差があるようです。いずれにしても、8ヶ月とか、1歳とか、1歳半とかそういう時期に検診があります。これも保健婦さんが頼りになります。また、是非とも近所に信頼できる小児科の病院を探しておくことは重要と思われます。

    予防接種

      Aさんの例

         予防接種の案内も保護者宛てに届きますので、用紙に記入し、近所の指定病院で予防接種を受けます(無料です)。半券を母子手帳に貼り記録に残します。

      Bさんの例

         無料接種(つまりは必須と思われるもの)と有料のものがあります。有料(つまり国の指定でない)のものでも、自治体が補助することもあります。いずれにしても接種しますと、母子手帳にその旨を記載します。

    Aさんの体験談(日本における出産)

       妻には日本で出産してもらいましたので、妊娠中の定期検診のたびに産婦人科まで付き合わされました。最初のうちの恥ずかしさは今でも覚えています。
       妻は病院に一人で行くのを特に嫌います。診断内容の説明や家庭でのケアの説明の医学用語関連の言葉が理解できないようです。以前病院で「お子さん、便はありましたか?」と看護婦さんに聞かれ「べん? 何ですか?」と聞き返し「うんちです」と教えてもらいました。

       また、検診や予防接種の際に、保健所などで日本語の記入用紙に記入するケースがありこれは、日本語の読み書きの問題となり、代筆をお願いできる根性と気力があれば可能でしょうが、やはり夫に頼りたがるようでした。

    CさんのIT情報

      • こちらで日本語/タイ語併記の母子手帳の紹介やら日本とタイの予防接種時期の比較などができます。
        ● 母子衛生研究会/海外出産★子育てインフォ(http://www.mcfh.net/)

      • 病気やケガをしたときに、自分の病気やケガの状況を医師に説明するための各国語・日本語で併記された問診表です。
        ● 他言語医療問診票(http://www.k-i-a.or.jp/medical/index.html)

      • 神奈川県川崎市高津区にあるこの医院はタイ語、英語、中国語、ラオ語、カンボジア語での診療も可能です。
        ● 梶ヶ谷クリニック(http://www3.tokai.or.jp/kajicli/)

      • ● バン・テェンガーン 日本でタイ語の話せる医師の居る医院(http://poron.s29.xrea.com/mar/9.htm) (poron さんのサイト)

        7か月健診と3種混合の1回目を受けさせました。妻もタイ語が通じるので喜んでいました。

(続)


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