日・タイ婚姻法 日本人とタイ人の婚姻・入国手続、子に関する諸手続

第6章 永住許可申請

体験談(2002年3月23日・記)

     2002年3月22日、タイ国籍の妻が永住許可を得ました。永住許可申請の問題を中心に、今日に至るまでの経緯を記します。

    今日までの手続の概要等

      97年7月7日  日本側婚姻届出
      97年8月5日  タイ側婚姻届出
      97年12月5日  長男出生
      97年5月7日  日本人の配偶者等の在留資格認定証明申請(宇都宮出張所)
      97年6月15日  同交付
      97年6月24日  査証発給
      98年6月30日  入国、当初の在留期間 1年(〜99.6.30)
      99年5月18日  更新申請(宇都宮出張所)
      99年6月1日  更新許可、更新後の在留期間 3年(〜02.6.30)
      01年9月14日  永住許可申請 東京入管(大手町)
      02年3月18日  『お知らせ』の通知書発送
      02年3月22日  永住許可証印

    永住申請の決意

       2001年4月頃、国際結婚を考える会の著作や様々なIT情報を得て、日本在住3年程度で永住許可されている事実を知りました。妻は、同年7月で日本在住3年を超えます。これを目途に申請をすることにしました。

    管轄

       居住地が栃木県ですので、東京入管宇都宮出張所と東京入管本局(大手町)に管轄があることを確認しました。私は、結局、大手町を選びました。
      というのは、宇都宮へ問い合わせたときに、

        島田  「タイ人の妻のことを伺います。98年通達もあり、入管業務も繁忙を極めていることから、早期に1年を3年に、3年を永住に切り替える方針だと聞きます。妻は、婚姻4年、在留3年となりますが、永住許可の申請をしてよろしいでしょうか。」
        宇都宮  「入管としては、3年の在留で早期に永住に切り替えるという方針は持っていません。それは当事者の希望でしょう。まあ、『善良な市民生活』を送っているなら、在留3年でも良いかもしれないですが。」

      こんな具合でした。

      宇都宮には『善良な市民生活』を送っていない前提で話をされてしまいました。

      最初にカチン!と来た瞬間でした。

      タイ人と聞けば、善良でない風俗従事者だとでも思っているのでしょうか。

       同様のことを大手町に聞いてみました。当時は、まだ永住部門が電話応対をしてくれた時期です。

        大手町  「永住は、原則として日本在留3年以上としますが、海外の居住期間も含めて婚姻3年以上であれば、日本居住2年でも申請を受けています。」

      宇都宮とはこれだけ応対の差がありました。

    審査期間

       事前に大手町及び宇都宮に審査期間を打診していました。電話では6ヶ月、どんなに早くても5ヶ月は掛かるという回答でした。2001年9月の提出時点では、大手町では6ヶ月掛かると言っていました。2002年3月時点でも、同様のことを言っています。

       しかし、実際にはこれを過ぎてしまう場合がほとんどのようです。今まで在資あるいは更新に掛かる日数を聞く度に、口頭での回答より実際には早めに決裁されるというケースがほとんどだったように思います。6ヶ月掛かると言われた私は、遅くとも4、5ヶ月で決裁されるだろうと踏んでいました。ですが外れでした。

    進行状況の照会

       私は、進行状況について3回照会しました。
      1回目は2002年1月中旬、電話にて。

        入管  「今は申請が急増してとても6ヶ月で決裁できない。取りあえず6ヶ月の経過を待って欲しい、もっと掛かるかもしれないと思っていて欲しい。」

      2回目、2002年3月1日、大手町でメモを提出。
      大手町の3階8番の部屋の奥にメモ紙がおいてあります。そのメモに、「申請番号」、「どうなっているのか」、「早くやって欲しい」、などと印刷されていますので、それに記入して別室に提出すると、話に応じてくれます。このときは、係官が指折り経過月数を数え、記録を見てみましょうということになりました。

        入管  「これはまだですよ、今6ヶ月ではできないんです。まだまだ時間が掛かると思ってください。(7ヶ月くらいと匂わせるようでした)」

      というような回答でした。・・・後で考えると、この催促が効を奏したように思います。

      3回目は、3月11日電話にて。
      このときの問題は、妻が3月下旬から帰国すると言い出し、それと永住の決裁が重なったらどうなるかを聞いてみたかったのです。

        島田  「9月14日に永住申請した〇●号ですが、処理状況はいかがでしょう」
        入管  「今、8月に申請されたものがボツボツ出始めたところなので、9月はまだまだです。あと1ヶ月くらい掛かります。順番に処理しているから早くやってほしいという話は聞けないです。」
        島田  「月末までに帰国させたいのです。」
        入管  「どうぞ、それは構いません。」

      ・・・・・私はこの回答を『帰国中に入管の決裁があっても、何の差支えもない』と信じてしまいました。

       このときの入管職員の回答は極めて杜撰だったと言わなければなりません。この日が11日、決裁済みの葉書の発送が18日ですから、丁寧に記録を見れば、まもなく決裁になるのは解ったはずなのです。

    帰国予定

       3月11日の電話照会の結果、まだまだ永住の決裁は先の話だと信じた私は、妻の希望で3月14日に、3月24日から5月6日まで帰国させる予定で、航空券の手配をしました。

    葉書到着

      ところが、3月20日午後3時頃、入管から永住許可を意味する葉書が来てしまったのです。3月18日発送のその葉書にはこのように書かれています。

      『・・・2002年4月4日までに・・・の部屋へ、午前9時から午後4時までの間においでください。なお、やむを得ない理由により同期日までに来られないときは、事前にその旨を連絡してください。同期日までに連絡がないときは、不許可とすることがありますので、ご注意ください。』

      機を逸すれば、せっかく苦労して申請した永住許可が泡のように消えてしまうのです。

      この日、子供の幼稚園の送迎バスを路上で停め、入管へ飛んでいこうとしました。ですが、葉書には午後4時までと書いてあります。大手町の永住部門と電話で交渉したのですが、どうしても4時までに来いと言います。帰国予定で日程の余裕がほとんどないと説明しましたが、それでも駄目だというのです。4時半くらいまでやってくれれば間に合ったのですが、その日は断念せざるをえませんでした。

      公務員なのに、どうして5時までやってくれないのでしょうか?

    日程

       ということで、改めて妻の帰国予定と入管の出頭要請ですが、3月20日は時間切れで受け付けてくれず、21日は祝日です。23日が土曜で、24日の日曜に離日の予定です。残るは、22日だけしかありません。一瞬、頭がパニックになりました。この日は仕事上かなり重要な打ち合わせを入れてあったのです。どうするか考えましたが、私は22日のアポイントをキャンセルして、入管へ向かいました。

       この日は滞りなく、永住許可の証印を得ることができました。ですが、もしあとわずか時間の『ズレ』が生じていたらどうなっていたでしょう。郵便の遅配などにより、22日に永住許可の証印を受領できなかったとしたら、入管の指示に従うためには、

      • 予定どおり出発させて早急に帰国させる
      • 渡航取りやめにする
      • 搭乗をキャンセルして出発日を遅らせる

      こんな方法があろうかと思いますが、どれを取っても所期の目的を達することはできませんから、【甚大な損害】が生じます。仮にそうでなくても、22日にアポイントをキャンセルしたことで、私は顧客の信頼を喪失しているのです。

    葉書の趣旨

      「4月4日までに受け取りに行かなければ、不許可にする。」 葉書の趣旨はそう読めます。そうであれば3月11日の電話のときに、どうして一言このことを言ってくれなかったのでしょうか。「帰国するんだ」と言っているのだから、もしそれで問題を【生じうる】なら、それを指摘するのが公務員としての当然の義務でしょう。

       それを怠った入管職員は、職務上当然なすべき説明義務違反を犯したと言えます。

      「帰国するのは構いません。ご自由に」と説明しておきながら、「4月4日までに受け取りに来なければ不許可にする」との趣旨が書面に書かれているのです。

      まるで【騙まし討ち】です。
      『自由に帰国で、永住取消』

      あまりにも酷くありませんか。

    やむを得ない理由

       入管の葉書にある『やむを得ない理由』、『事前に連絡』とは具体的にどのような内容を指すのでしょうか。

      期限前に電話で「一時帰国中です」と連絡すれば事足りるのでしょうか。

      それで、不許可を免れるのでしょうか。なお、もし電話をするにしても、これが難題です。『東京入国管理局永住難民審査部門』 葉書に電話番号が書いてあります。ですが、この電話は繋がりません。「当部門には電話に応対できるだけの職員が配置されておりません。当管理局の場所は・・・」とテープが流れる仕組みです。「こういう理由で期限内に出頭できない」と電話を掛けることもできない仕組みになっているのです。

    帰国を取るか、在留資格を取るか

       仮に「親が死にそうだ」と連絡があって帰国することになったが、それが入管の呼出しと重なったらどうなるのでしょう。

      2000年6月、父が交通事故に遭い、急に帰国するということがありました。もしこの時期に更新手続をやっていて、入管から葉書で呼ばれるなどという事態になったら、「在留資格を取るか、親の死に目を取るか」の選択を迫られることになりかねません。永住と違い在留期間の更新の場合には、出頭しなければ在留資格の喪失に繋がり、事態は極めて深刻です。

       このような場合、入管は柔軟な対応をしてくれているのでしょうか。

    葉書での連絡

       在留資格認定証明書は書留扱いですが、更新や永住は連絡方法が単なる葉書です。どこかに紛れたらどうするんでしょう。

       実際に99年の更新のとき、葉書が行方不明になりました。電話で確認したところ、宇都宮入管は「5月28日に送ってある。あとは郵便局の問題だ、葉書がなくても来て下さい」と言い、葉書なしで更新手続をしました。ところが、後日、葉書が到着し、消印を見たら更新手続をした6月1日の発送となっています。明らかに入管の発送ミスでした。


      入管は、公平であって欲しい。
      • どの当事者(国)に対しても。
      • どこの入管であっても。
      入管は、当事者の都合も斟酌して欲しい。
      入管には、発言内容と実際の行動の一致を求めたい。

(続)


BACK  INDEX  NEXT
HOME